センノウ(仙翁)

センノウが咲きました。珍しい山野草で初めてみました。

センノウ (仙翁 )は鎌倉時代の末から室町時代の初めごろ、中国から渡来した多年草です。全体に短い毛が生えていて、直立する茎には葉が対になってつきます。茎は根元より数本~10数本が株立ちとなります。花は茎の先端にまとまって咲き、花弁の先端は細かに切れ込んでいるのが特徴です。花は目のさめるようなカーマイン・レッド(朱色を帯びた明るい赤)です。原産地の中国ではタネでふえる野生系がありますが、日本で現在栽培されているのはタネができない3倍体であるため、さし木か株分けでふやします。室町時代には七夕のころに、贈答品としてセンノウの切り花が盛んにやり取りされ、観賞されていました。そのため七夕を仙節(仙翁花の節)とも呼びました。
同様に栽培できるものにマツモトセンノウ(Lychis sieboldii [Silene sieboldii] )があります。花色は朱色、桃色、白で、八重咲きもあり、全体に赤紫色を帯びるものもあります。姿はセンノウに似ていますが、やや草丈が低く30~60cmほど、5月から6月に開花します。オトメセンノウはマツモトセンノウとエゾセンノウの交配種で、花の切れ込みがやや深くなっています。花色は朱色のみですが、性質はより強健です。