石神様の盃状穴

【音声読み上げ】


柳井市日積4630番地1付近

大原の松重家の前の道端にある花崗岩の自然石には、合計20個の盃状穴が掘られ、柳井市内でも代表的なものといわれています。
盃状穴は、石に掘られた逆円錐形をした盃状の穴で、弥生時代に、ヨーロッパからアジア大陸、朝鮮半島を経て、日本へ渡来した民間信仰といわれています。
「韓国では「性穴」と呼ばれ、女性のもつ力が生産・豊作・魂の蘇生をもつと信じられ、穴を掘り祈願したものだが、時代が下がるとこの信仰はすたれた」といわれています。

盃状穴のある岩(平成29年(2017年)撮影)
盃状穴のある岩
(平成29年(2017年)撮影)

以前、この石は大きく地上に露出し、その前に石神様がありました。
祠のみ南方50mの道端に移されていましたが、道路拡幅に伴い、再び盃状穴の掘られている石のそばに移されました。

近くの道端に移されていた頃の石神様(平成29年(2017年)撮影)
近くの道端に移されていた頃の石神様
(平成29年(2017年)撮影)

大分県豊後高田市の真木大堂にも盃状穴があり、灯明皿に使ったと表示されています。
古老の話では、故郷を離れて働く人びとの息災を石神様に祈願するため、この盃状穴にヨモギなどを入れて搗きながら祈ったといいます。
また、子供達がヨモギなどを入れて搗いて遊んだともいいます。
松重家は、「マロニエの木蔭」などで知られる歌手松島詩子の生家です。
彼女も子供の頃、きっとこの石でヨモギを搗いて遊んだことでしょう。
日積地区には、この石以外にも、寺社の手水鉢や、十楽寺跡の階段などに盃状穴が掘られています。

日積地区内の盃状穴

日積地区には、寺社の手水鉢や、階段、石橋などに盃状穴が掘られています。
他の場所にも掘られているかもしれません。
探してみましょう。

日積地区内の盃状穴
笠地蔵後ろの石垣
笠地蔵後ろの石垣
(東宮ヶ峠、5穴)
金毘羅宮石段
金毘羅宮石段
金毘羅宮石段
(鷹の巣、10穴)
地蔵尊敷石
地蔵尊敷石
地蔵尊敷石
(水梨、7穴)
教徳寺手水鉢
教徳寺手水鉢
(忍道、15穴)
明教寺手水鉢
明教寺手水鉢
(北智雲院、4穴)
大帯姫八幡宮手水鉢
大帯姫八幡宮手水鉢
(大里、日積公園内、10穴)
十楽寺跡の石段
十楽寺跡の石段
(堺原、17穴)
西善寺手水鉢
西善寺手水鉢
(大原、8穴)

石神様の盃状穴までの道案内

石神様の盃状穴までの道案内

(ふれあいどころ437から約1.6Km)

ふれあいどころ437の出口から左折

1車線、約100m

【2】横断歩道のある交差点を右折し、国道437号玖珂方面へ

2車線、約1,300m

【3】下り坂の後、大原橋を渡ると、案内標識あり。
柳井方面へ左折し、県道68号へ。

1車線、約200m

【4】大原バス停を過ぎ、左手に自動販売機のある松重家がある。
その前の道端に石神様の盃状穴あり。