【音声読み上げ】
柳井市日積4630番地1付近
大原の松重家の前の道端にある花崗岩の自然石には、合計20個の盃状穴が掘られ、柳井市内でも代表的なものといわれています。
盃状穴は、石に掘られた逆円錐形をした盃状の穴で、弥生時代に、ヨーロッパからアジア大陸、朝鮮半島を経て、日本へ渡来した民間信仰といわれています。
「韓国では「性穴」と呼ばれ、女性のもつ力が生産・豊作・魂の蘇生をもつと信じられ、穴を掘り祈願したものだが、時代が下がるとこの信仰はすたれた」といわれています。
以前、この石は大きく地上に露出し、その前に石神様がありました。
祠のみ南方50mの道端に移されていましたが、道路拡幅に伴い、再び盃状穴の掘られている石のそばに移されました。
大分県豊後高田市の真木大堂にも盃状穴があり、灯明皿に使ったと表示されています。
古老の話では、故郷を離れて働く人びとの息災を石神様に祈願するため、この盃状穴にヨモギなどを入れて搗きながら祈ったといいます。
また、子供達がヨモギなどを入れて搗いて遊んだともいいます。
松重家は、「マロニエの木蔭」などで知られる歌手松島詩子の生家です。
彼女も子供の頃、きっとこの石でヨモギを搗いて遊んだことでしょう。
日積地区には、この石以外にも、寺社の手水鉢や、十楽寺跡の階段などに盃状穴が掘られています。
日積地区内の盃状穴
日積地区には、寺社の手水鉢や、階段、石橋などに盃状穴が掘られています。
他の場所にも掘られているかもしれません。
探してみましょう。
石神様の盃状穴までの道案内
(ふれあいどころ437から約1.6Km)
ふれあいどころ437の出口から左折
1車線、約100m
【2】横断歩道のある交差点を右折し、国道437号玖珂方面へ
2車線、約1,300m
【3】下り坂の後、大原橋を渡ると、案内標識あり。
柳井方面へ左折し、県道68号へ。
1車線、約200m
【4】大原バス停を過ぎ、左手に自動販売機のある松重家がある。
その前の道端に石神様の盃状穴あり。