シーボルト

物見台で商館長の横にいる白服の外国人が、なんとシーボルトらしい。出島のオランダ商館医で、西洋における日本研究の先駆者となったドイツ医師である。その右の赤子を抱いた女性は、出島通いの遊女だった彼の日本人妻お滝、彼女が抱く茶髪の赤ん坊は、二人の間にできた女児イネという。
川原慶賀【唐蘭館絵巻】(うち【蘭船入港図】)(長崎歴史文化博物館蔵)。